フリーランス逐次通訳者にとり、数日間連続での終日依頼がほとんどで、単発仕事としてはまとまった収入源となっていた国際展示会の仕事ですが、新型コロナ禍で求人は全滅状態になってしまいました。

ヨーロッパでは、第二波の到来や、再びのロックダウンが囁かれたりなど、不穏な空気は収まる気配を見せませんね。新型コロナウィルスが撲滅される可能性は極めて低く、ワクチンも、開発されても万能ではないと言われており、人類はこの先長く付き合っていくことを余儀なくされているようです。

このような状況のなか、通訳者にとっては国際展示会の将来が気になるところですね。何しろ現在、通訳サーチを軌道に乗せるため時間を費やしており、全体が把握できていないのですが、どうやら現状では、計画されていた国際展示会は、延期、中止、オンライン化というパターンがほとんどのようです。果たしてこの先も状況は変わらないのでしょうか。

 



 

シンガポールで開かれる新しいスタイルの見本市に注目

冷え切った国際展示会の状況。しかし、そんななか、アジアにおける国際見本市のハブといえるシンガポールで新しい動きが見られます。政府主導で、各国首脳を招くなど鳴り物入りで大々的に行われてきた「Singapore Fintech  Festival」は、昨年から「Singapore Week of Innovation and TeCHnology」とのジョイント開催でさらに規模を拡大していましたが、この12月、現地の会場とオンラインのハイブリッド形式で、昨年と同じくジョイント開催すると告知されたのです。(参照:ストレイツ・タイムズ紙記事

ざっと検索してみましたが、どのようなものになりそうか、あまり具体的に分からない感じでしたが…しかし、新型コロナの対策が一際厳しいンガポール、国際展示会の開催も、もっての外という状況であったのが、どのようなかたちで国際展示会を再開させるのか、注目されますね。

 



 

国際見本市の今後を占う?ファッションジャーナリストのインタビュー

もうひとつ、見本市の今後を占う材料となりそうなのが、ファッションメディアWWDの記事

やはり以前のような現地開催のショー中心といかないブランドのコレクション、現在はオンライン形式を取り入れるところが多く、フィジカルなショーの規模は大幅に縮小しているようです。

記事では、その現状を、イギリス、アメリカ、中国、韓国などのメディアで活躍するファッションジャーナリストにインタビューしています。回答は、オンライン形式にも長所はあるが、フィジカルなショーには変えられるものではない、と締めくくられているものが大半でした。

国際展示会の訪問者は、目玉が飛び出るほど跳ね上がった飛行機代や宿代などの費用を支払い、移動にも時間をかけなければいけない場合が多く、頭が痛い思いをしたところもあったでしょうから、見本市のオンライン化を歓迎する向きもあるでしょう。

また、WWDのインタビューには、オンラインであれば、予算のない若手デザイナーにもチャンスは増える、という意見があったように、新しい可能性も広がりそうです。

しかし、この記事は、業界によってはやはり、フィジカルな展示会に足を運び、実物を目にしたい、という希望を抱く人が多いということを浮き彫りにし、国際展示会がかたちを変えても続いていくことを予期させるものだと思います。

出展する側でいうと、日本の出展者には、正直なところをいうと「補助金が出るし行ってみるか…」という、積極的な姿勢と思えない企業が割にいらっしゃった印象で、そういったところが今後も展示会へ参加し続けるかは不透明であり、通訳の雇用が以前のように戻る保証はないということも、もちろん考慮しなければいけませんが。

 

 

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通訳者が気になる国際見本市のこれから

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